2ヶ月後、八重山の雇用状況はどうなっているのか?
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、4000人が失業!?
「沖縄県は3日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で~(中略)~観光収入は1166億8千万円の損失で、1万9402人の雇用が失われる可能性もあるという。」(沖縄タイムス4月4日付記事より)
怖ろしい数字が並んでいるが、最も身近で実感のわきやすい雇用の面から八重山への影響を探ってみたい。
ここで参考にしたいのが先に感染拡大と都市封鎖を経験した中国の現在の状況だ。武漢の都市封鎖から68日目となる3月30日付でいくつかの統計が発表されている。ご存じのように政府にとって都合のいい数字が並びやすい中国の統計だが、その「甘い」数字からも厳しい現実が見えてくる。日本で非常事態宣言が出されたのが4月7日。そこから68日後といえば6月14日だ。その頃、八重山の観光業関連の雇用情勢はどうなっているのか? まず、中国のデータから観光業に関連する下記2業種の「まだ職場復帰できていない比率」を見てみよう。
この比率に八重山でこの2業種に携わる人口(2015年データ)をかけてみよう。
●宿泊業・飲食サービス業=3631人(※こちらには旅行業が含まれていません)
3631人×81.82%≒2970人
●卸売業・小売業=3277人
3277人×17.24%≒565人
合計3535人。6月14日頃、八重山では3500名余りの人が失業状態あるいは自宅待機の状態でいる計算だ。
3535人は八重山の総人口55,237人(2016年)の6.3%、総就業者数26,366人の13.4%に当たる。かなりインパクトのある数字ではないか。
旅行業が八重山のデータから漏れているので、参考までに。中国のハワイと呼ばれる海南島の三亜のデータから。3月30日時点で旅行業で「職場復帰できていない率」は56.3%。八重山の就業者数統計「生活関連サービス・娯楽業 1318人」の中に旅行業も含まれているので、上述の3,535人にさらに上乗せされそうだ。
冒頭にあげた沖縄県の予測「1万9402人の雇用が失われる可能性」だが、2019年11月の県内就業者数731,000人の2.6%にあたり、かなり楽観的な数字にも見えてくる。実際、県の予測では観光客数が半減と仮定しているが、4月については80%減で推移している。
もちろん、中国と日本では国情・政策・制度に大きな違いがある。厚生労働省は雇用を維持する事業主に賃金分を補填する「雇用調整助成金」の特例措置を次々に打ち出しており、この制度を多くの事業主が活用してくれれば、かなりの人々を失業から救うことができるはずだ。まだ申請していない事業主いないだろうな。
それでも、あなたの身近にも失業する人がでてくるかもしれない。というか、僕自身正直これからどうなるかわからない状況だ。
今こそ、ゆいまーる精神を発揮して、互いを助け合っていくことが求められているはずだ。世界恐慌時のソテツ地獄も、戦時下の強制疎開マラリア禍も乗り越えてきた八重山だ。今回の経済危機も、新型コロナウィルスとの戦いも、きっと乗り越えていける! ひやみかち、やいまぴとぅ!