石垣島から所想所説、徒然なるままに

沖縄・石垣島の話題を中心に、石垣島から見えること、思うことを徒然に。好きな映画のレビューや、自分が難儀しているアトピーの話題なんかも。

『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Promising Young Woman)2020年 アメリカ

  主演のキャリー・マリガンが好きだ。たぶんライアン・ゴズリング主演の「ドライヴ」で初めて知ったと思うんだけど、Doctor Whoにも若いときに出ているのを見つけて「ほんとかわいいなぁ」と。この作品では、ストーリー的に必要なので様々なファッションを披露してくれるのだけど、そのどれもがチャーミングで、ぼくだったら一発で引っかかるなと。
 さて、そんな彼女の主演作としてはけっこう異色だと思う。彼女の一般的なイメージとはかなりギャップのある役どころ。大学時代に、親友をレイプ、自殺に追い込んだ男どもへの復讐劇、という重い内容だ。とはいえ、監督の演出が見事で、先述のようにキャリー・マリガンがシチュエーションに応じて様々なキュートなファッションを披露しつつ、男どもを潰していくさまはものすごく爽快だ。そして、再会した同級生ライアンとのみずみずしい恋。素敵なシーンがたくさんあって、観客もこのカップルを応援したくなってくるのだが、、、。
 ネタバレはしないけど、オチはつらく、悲しい。Promising Young Womanの意味だが、「(将来の約束されたような)有望な若い女性」だそうだ。真面目そうな両親のもと、医学部に入って優れた成績を収めていた主人公はまさにPromising Young Womanだった。そして自殺した親友・ニーナもそうだったろう。
 アメリカの大学における「フラタニティ」、そしてパーティ文化は、功罪ともにあるんだろうけど、日本の体育会系の部活と一緒でホモセクシュアルな一体感を生み出しつつ、そのサークルの外の人間を排除し、その「部外者」に対しては相手の気持ちを考えない、尊厳を認めないようなひどいふるまいを平気で行わせる装置になっているような気がする。
 集団レイプに参加したわけではなくても、そこにいて笑っていたライアンを主人公がけっして許せないのは当然だと思う。空気に流されずに、ひとりの一個人として正しいふるまいをそういうときにできるだろうか? ひとりの男性として考え込まざるをえない。本当に自信がないなぁ、、、。