「僕の叔父さん 網野善彦」中沢 新一
網野著作がナカザワを面白くする。
網野喜彦さんの追悼文、ということになっているけど実際には中沢新一さんの考えのほうが強く出ている感じですね。でも、バックボーンとしてマルクス史学や皇国史観に対する反動という個人的な文脈はやっぱり網野さんの中にもあったはずで、この本で紹介されているような中沢家との問答は実際にあったんだろうなぁと思えます。現代の高度資本主義の世界にアジールを求めることは、不可能なんでしょうか?
しかし、著者は書こうと思えばこんなに面白く書けるんだな、と感心しました。言及されていないけど、著者とオウム事件の関連なんかを網野さんがどんな風に見ていたのか、とか気になるなぁ。
僕の叔父さん 網野善彦 (集英社新書) (日本語) 新書 – 2004/11/17
中沢 新一 (著)