ラッシュ/プライドと友情 Rush 2013 アメリカ
ジェームズ・ハントがね、型破りすぎて、面白すぎる。町山智浩さんがハントのやりまくり生活を解説していたが、気に入った女性はみんな口説く、といったタイプだったらしい。酒飲んでF1レースに出るなんて、今じゃ考えられない自殺行為だと思うが、実話というのが怖ろしい、というか面白すぎるというか。
対するニキ・ラウダが理論派で、勤勉で、真面目。こっちもある意味レーサーらしくない人物で、この二人がライバルだったというのはほんとに事実は小説よりも奇なりだなと。
タイトル争いが最終戦の日本、富士スピードウェイでの決勝となるというドラマティックな展開。コースに川ができるほどの豪雨の中で行われ、ラウダは自分の判断でリタイアする。直前に事故で死にかけたんだからムリもないよな。
お互いまったく性格が合わない二人なのに、ラウダがクラッシュして大けがを負って入院しているとき、ラウダはテレビ越しにハントの活躍をみて奮起するのだから、人間の心理というのは不思議だ。
それにしてもこういった素晴らしいライバル関係というのはスポーツの世界でこそ、よく見られると思うけど、普通の会社員生活とかしているとなかなか出会えないんじゃないかな。真逆の個性で、お互い敬意を持ちつつ正々堂々と渡り合う。ライバル関係がお互いの潜在的な能力をどんどん引き出すのは間違いないと思う。
映画としては、事実をもとにしつつも派手すぎない演出もよく、結果がわかっていてもドキドキできる、素敵な映画でした。