石垣島から所想所説、徒然なるままに

沖縄・石垣島の話題を中心に、石垣島から見えること、思うことを徒然に。好きな映画のレビューや、自分が難儀しているアトピーの話題なんかも。

英国総督 最後の家 2017年イギリス・インド

ベッカムに恋して』のグリンダ・チャーダ監督作。
インドとパキスタンの独立、分裂を描いた問題作でもある。パキスタンでは上映禁止となったそうだ。

 インドがイギリスの植民地として300年も支配されてきたのはよく知られた事実だし、初期~中期に至るまではイギリス東インド会社という特権会社によって統治されるという複雑な歴史を持つ。常に独立を求める活動はあったわけだけど、1915年にガンジー南アフリカから帰国、非暴力不服従による独立運動が2つの大戦を経ながら展開してくことになる。
 本作は1947年に、独立を円滑に行う使命を帯びたルイス・マウントバッテンが最後のインド総督として着任するところから始まる。独立そのものは既定事項であったけど、ヒンズーとムスリムの対立からパキスタンとの分離しての独立となってしまう。それまで友人で会ったり、恋人であったり、職場の同僚であった人たちが引き離されていく。暴動が多発し、多数の難民が生まれ、、、。

 本作は最後のイギリス総督一家を善意の人物たちとして描いているけど、そもそもの問題でいえばイギリスの罪は重すぎるだろう。ムスリムたちのパキスタンの分離がはたして正しい選択だったのかも、いまだに答えは出せないかもしれない。
 インドは中国に続く未来の超大国と目されているけれど、その国土はあまりに広く、民族も宗教も複雑で、はたして民主主義国家として歩んでいけるのか。中国の一党独裁と人権無視、国際的な専横がこれだけはっきりしている以上、インドには民主主義として頑張ってもらいたいが。
 ガンジーの精神がこの国に根付いていることを願わずにいられない。

 

英国総督 最後の家(字幕版)

英国総督 最後の家(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/21
  • メディア: Prime Video