「世界侵略のススメ」 マイケル・ムーア
Where_to_Invade_Next
良作でした。ところどころで泣きそうになりました。ノルウェーの刑務所システム。人権に基づいて、愛と希望を教えることが再犯防止になり、社会に与するということ。チュニジアの女性運動。イスラム諸国に対しては、どうせ女性蔑視の遅れた社会でしょ、というイメージが強いが、イスラムが問題なのではなく、社会はよりよくできるということを強く教えてくれる。
アイスランドの経験は、女性こそが21世の主役であるべき、というメッセージの具現化だ。
イタリアの労働者の権利、フランスの公教育、食文化の豊かさ、フィンランドの教育水準の高さ、スロベニアの無償高等教育、ドイツのワークライフバランスと、ナチスへの反省。
日本が学ぶべきことはあまりに多い。だけど、どれも各国ですでに実現されている、というのがすごい。理想をただの理想として語るのではなく、少しずつ社会を変えていくことで、世界は社会は、こんなにもすてきになるのだ、と。もちろん、各国の悪い面は描かれていないわけで、どこの国も大きな問題を抱えているとは思うが、実現可能な理想を示しくれるという意味で、すばらしい作品。
アメリカ人にとっては、そのどれもがかってアメリカが初めに言い始めたことだというのが皮肉だ。アメリカは大丈夫だろうか?