「キャンセルされた街の案内」吉田 修一
吉田修一ファンなら、後ろから2番目の「灯台」が入っているだけでも買いだと思います。17歳のぼくと37歳の自分が語りあう。ありえない状況なのに、とてもリアル。ほかの収録作は・・・。ぼくはタイトル作は地縁があるからけっこう面白かった。
ぼくが思うに吉田修一さんの作品は、ふだん小説を読まないひとにも訴える力がある。この短編集も「携帯小説?」というような(「24pieces」「深夜2時の男」)作品があるけれど、ぼくはそのことをポジティブに評価したい。読まれる作品、読ませる作品だと思う。普段から小説を読みなれてる人間からは浅薄にみえるけれど。
名作「パレード」が映画化されました。かなり豪華なキャストで。小説の持つ底力を信じたいし、この先もその小説の力を信じて読んでいきたい作家さんだと思います。
キャンセルされた街の案内 (日本語) 単行本 – 2009/8/22