「希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学」 池田 信夫
斜陽=成熟社会という幻想。
バブル崩壊のあとから「日本は斜陽国家だ、あとはうまく成熟するしかない」みたいな議論は出ていたはずだけど「成熟」することにも日本は失敗しちゃったんだなぁと教えられました。五木寛之さんだかが「“諦める”は明らかに知るだ」とか言ってたのにね〜。
たぶん、構造改革で新自由主義に向かう時に、並行してセーフティネットをもっときちんと整備すべきだったんだろうなぁと。著者が指摘するようにバブル崩壊後の失われた20年は規制撤廃も中途半端、セーフティネットも整備できずの政治の空白だったのだなと。
僕が感じるのはアメリカのような特殊な理念国家は別として西・北ヨーロッパと比較したときに日本の失敗は、経済の失敗を国民で受け止めるような民主主義の成熟がなかったことが決定的な問題だったんじゃないかと。
そういう資本主義と民主主義の関連についても著者に語ってほしかった気がします。
希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学 単行本 – 2009/10/9
池田 信夫 (著)