石垣島から所想所説、徒然なるままに

沖縄・石垣島の話題を中心に、石垣島から見えること、思うことを徒然に。好きな映画のレビューや、自分が難儀しているアトピーの話題なんかも。

「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の1000年」

ローマ人の物語」シリーズより、小説的で読みやすいと思う。とにかく圧倒的に面白い。ヴェネツィア人をあまりに功利的すぎるように感じる人もいるかもしれないけど、ヨーロッパの心が中世の魔女狩り的な薄闇の中にいた中で、その理性を維持していたのはすごいことだ。それでもトルコに勝てなかったという理不尽。後世からみてもヴェネツィア人の歩んできた道に間違いを指摘するのが難しく感じる。
それにしても塩野七生以来、こういう仕事をものにできる作家さんが出てこないのはなぜ? 日本の中の小さな世界についてばかり書く作家ばかりでいいんだろうか? こういう仕事をする日本の作家さんって・・・。

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 1 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2009/5/28